2025年改訂版 心臓移植に関するガイドライン(日本循環器学会 _ 日本心不全学会 _ 日本小児循環器学会合同ガイドライン)

heading — 待機中の非薬物治療(

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4,302

合計文字数

1

セクション種別

p.36–39

ページ範囲

heading 章 成人心臓移植の適応と術前管理

待機中の非薬物治療(

#104概要344 文字p.36

ICD,CRT)本項では,慢性心不全において生命予後改善の明確なエビデンスが確立しているICDと心臓再同期療法(CRT)について概説する.重症心不全患者では,この両者はCRT-Dとして同時に施行されることが多い.5.1ICD心臓移植適応となる重症心不全患者では,致死性心室不整脈による心臓突然死は主要な死因であり,ICDは原因心疾患や適応(一次予防/二次予防)に関わらず,不整脈死予防により生命予後を改善するもっとも有効な治療である.ICD植込みの根拠となる臨床試験の多くは海外で行われているが,わが国でのICD植込みは各種のガイドラインに準じて行われる.最近では,わが国の心不全患者において致死性不 ...

#105概要クラスIsub:1390 文字p.36

「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」では,一次予防適応でのICDに関して虚血性心筋症と非虚血性心筋症に分けて記載されているが,いずれも十分な薬物治療下に,NYHA心機能分類II以上かつLVEF 35%以下で,NSVTありの場合がクラスIである.虚血性心筋症では,LVEF 40%以下でNSVTがあり,電気生理検査でVT/VFが誘発された場合もクラスIである.これまでの前向き大規模臨床試験では,器質的心疾患を有する患者の心臓突然死の最大のリスク要因は心機能低下と心不全重症度であることが明らかにされているが,近年ではより詳細な致死性不整脈のリスク因子を用いたいくつかのスコアリングシス ...

#106概要sub:2476 文字p.36

重症心不全患者では,VADを装着した後も致死性不整脈を合併することはまれではない.VADが正常に作動している状態で致死性不整脈を生じても意識は消失しないことが多く,覚醒下でのICD作動を避けるためにショックデリバリーは起きないように設定することも多い.VADが正常作動している状態で心室細動が生じても即座に致命的となることは少ないが,右心機能低下による心拍出低下をきたすことがある.その際には鎮静下で除細動を行い,薬物治療を強化する必要がある.近年では,経静脈リードを用いたICDの代わりに皮下植込み型除細動器(S-ICD)が用いられることも増えており,デバイス関連の合併症やショックの不適切作動にお ...

#107概要sub:3403 文字p.36–37表示中

推奨表1VAD装着患者における各薬剤投与の推奨とエビデンスレベル推奨クラスエビデンスレベルACE阻害薬,ARBまたはARNIを投与する.IBβ遮断薬を投与する.ICSGLT2阻害薬を投与する.ICワルファリンを投与する.IBアスピリンを投与する.IC37第3章 成人心臓移植の適応と術前管理5.2CRT重症心不全患者では,しばしば心室内伝導障害により心室内・心室間同期不全を合併する.特に左脚ブロックは左室全体の同期障害に伴う左室ポンプ機能低下をきたし,生命予後を悪化させる.このような病態では,CRTは同期不全を解消し,心機能を向上させ自覚症状や予後の改善をもたらすことが示されている.心臓移植を考 ...

#108概要クラスIsub:4419 文字p.37

心エコー検査による同期不全の評価は,大規模試験での有用性は見出されていない.詳細な適応は他のガイドラインに譲るが,わが国のガイドラインではNYHA心機能分類III~IVの重症心不全患者において,クラスIでの適応となるのは洞調律,LVEF 35%以下,左脚ブロックタイプでQRS幅が120ms以上の場合である.また,心機能が低下しており,心室ペーシングが必要な患者においては,右室単独ペーシングよりもCRTの方が有効であることも示されている.CRT植込み後には最適化を行うことが推奨されている.CRTは高い有効性が期待できる症例が存在する一方,効果の乏しい症例も多く,心臓移植を考慮する上で必ずしも必須 ...

#109概要sub:5434 文字p.37

CRTの適応については個々の症例で十分に検討した上で,適否を判断する必要がある.近年は,CRT適応となる症例に対して,刺激伝導系ペーシングとしてヒス束ペーシングや左脚ペーシングがCRTよりも有効性があるとする報告が小規模ながら散見される.今後はこれらがCRTにとって代わる可能性もあり,さらなるエビデンスの構築に期待したい.5.3VAD薬剤抵抗性の重症心不全に対して大動脈内バルーンパンピング(IABP),体外式模型人工肺(ECMO)などの機械的補助が選択されるが,その効果には限界があり,さらに重症化した病態に対してはVADが必要となる.以下,心臓移植に向けたVAD治療について概要を述べるが,詳細 ...

#110概要sub:6312 文字p.37

2015年に小児用VADとして保険適用になったBerlin Heart Excorと,2021年に保険適用となった国産のバイオフロート遠心ポンプがある(図12).b.経皮的心内留置型VAD循環補助用心内留置型ポンプカテーテルとして2017年にImpella(図13)が保険適用となった.このデバイスの特徴としては,経皮的に大腿動脈や鎖骨下動脈から低侵襲的に挿入できることである.小型の軸流ポンプが組み込まれ,左心室から脱血し,上行大動脈に送血する.補助流量が違う2種類のラインナップ(Impella CP:4.3L/分,Impella 5.5:5.5L/分)があり,使用可能な補助期間はそれぞれ8日間 ...

#111概要sub:7390 文字p.37–38

VA-ECMOとImpellaを併用したECPELLA療法が行図13Impella(米国Abiomed社)(画像提供:日本アビオメッド株式会社)図12バイオフロート補助人工心臓セットHC(画像提供:ニプロ株式会社)38心臓移植に関するガイドラインわれることも少なくない.ECMOにより右心室の容量負荷を低減し,末梢臓器灌流の改善と血液酸素加を図る.さらにImpellaで左心室内の減圧を行うことで両心室を補助し,総心拍出量を増加させることが可能となる.c.植込型VADポンプ本体を体内に留置するもので,2025年現在,わが国で保険償還されているものは,連続流型遠心ポンプである国産のEVAHEARTと ...

#112概要sub:8434 文字p.38

病態ごとに7つのprofileに分かれておりprofile 1が体外設置型VADもしくは経皮的心内留置型VADの適応,profile 2~3が主として植込型VADのよい適応とされている(表10).5.3.3主要な有害事象とその対策VAD装着中には装置の不具合,感染,神経機能障害,出血などさまざまな有害事象が起こりうる.これらに対し予防・対策,発生後の処置を適切に行い,心臓移植まで待機することが重要である.5.3.4在宅管理植込型VADの最大の利点は,退院・在宅治療へ移行できることである.植込型VADは高リスクの生命維持装置であり,これを用いた在宅治療には周到な準備が必要となる.術前に長期安静に ...

#113概要sub:9351 文字p.38

また,装置の機器管理,ドライブライン貫通部の自己管理や緊急時の対応などを指導する.介護者についても同様のトレーニングを行う.また,機種に応じた電源コンセント,たとえば3P電源コンセント(接地[アース]極付きコンセント)や非常用電源などの在宅環境の整備を行う.患者とVAD管理チームとの連絡体制を構築し,適切なモニタリングを行う.職場復帰・就学復帰を実現するためには,職場や教育機関での緊急時の態勢を整備する.植込型VAD患者については自動車や自転車の運転は禁止とする.5.3.5終末期管理重度な脳障害を含む諸臓器不全などで,治療の継続が困難な終末期に陥った場合は,本人・家族・介護者に対する十分なイン ...

#114概要sub:10349 文字p.38–39

表10INTERMACS/J-MACSにおける心不全重症度のプロファイル分類レベルINTERMACSJ-MACSVAD適応決定までの猶予1Critical cardiogenic shock重度の心原性ショック数時間2Progressive decline進行性の衰弱数日3Stable but inotrope dependent安定した強心薬依存数週4Resting symptoms安静時症状数ヵ月5Exertion intolerant運動不耐容6Exertion limited軽労作可能状態7Advanced NYHA III安定状態(日本循環器学会,日本心不全学会,2021,Steve ...